イグちゃんの冒険


3

 ふーさんから逃げ出したイグちゃんは、外に出ようと思ったのですが、ドアには鍵がかかっていて開きません。鍵を開けるには、チクワちゃん、グリちゃん、モモちゃんに手伝ってもらわないと無理なのです。だ〜って、イグアナは尻尾は長いけれど、背が低いので一匹では鍵に届きません。「あ〜あ、ふーさんには怒られるし、にゃあさんにはしっぽを引っ張られるし、ドアは開かないし・・・つまんないよ〜。」とイグちゃんは仕方なく自分の部屋へ戻っていきました。
 え?ふーさんの腕は大丈夫かって?イグアナに引っ掻かれるのには慣れているふーさんなので、心配はいりません。イグちゃんがドアをがりがり引っ掻いているのは知っていましたが、鍵がかかっているのもわかっていたので、もう知らん顔してソファーで本を読み始めました。にゃあさんもテレビを見ています。
 チクワちゃん、グリちゃん、モモちゃんも自分の木に頭を乗せて、ヒーターベッドでお昼寝です。イグちゃんは、まだチクワちゃんの木が欲しいのですが、また喧嘩すると怒られそうなので、仕方なく自分の木に頭を乗せていたら、だんだん眠くなってきました。

4

 青〜い青い海と空、ギラギラ輝くお日さま、たくさんの真っ直ぐのや曲がったのや、遊んだら楽しそうな枝だのついた木、いい匂いの草や花・・・・イグちゃんは、どこか遠い南の島で、チクワちゃん、グリちゃん、モモちゃんと遊んでいる夢を見ていました。
 「あ〜楽しいね。もう喧嘩なんかしないで、いつも仲良く遊ぼうね。」とイグちゃんが言うと、チクワちゃんは、「そうしようね。でも遊びすぎておなか空いたね。ふーさん、まだ、ごはんくれないのかな。」と言いました。グリちゃんモモもちゃんもふーさんを探していますが、なかなか見つかりません。
 「ふーさん、ふーさん、ねぇ、どこにいるの?」イグちゃんは、だんだん悲しくなってきました。「ふーさん、ふーさん、出てきてよ〜」