イグちゃんのぼうけん    15
 さて、ベイとイグちゃんは、もうそろそろまあちゃんのマンションがみえるところまで、やってきました。
「ねえ、ベイ、ふーさんのうちのベランダから、まあちゃんのマンションをみると、すぐちかくみたいなのに、こうやってあるいてくると、けっこうとおいね。」イグちゃんは、ベイにおくってもらえなかったら、きっとまいごになっていただろうな、とおもいました。
「うん、ふーさんとこは5かいだよね。たかいところからまわりをみると、おおきさやきょりがほんとうとちがってみえるんだよね。イグちゃん、くるまやにんげんってちいさいっておもっていなかった?」とベイはききます。
「そうなの。くるまがおおきいから、はじめはとてもこわかったし、じめんをあるいていたら、じぶんがずーっとちいさくなったかんじがしたわ。でも、ベイのせなかにのせてもらってからは、ぜんぜんこわいことはないし、たのしくここまでこれて、ほんとうによかったわ。」イグちゃんは、うれしそうにベイのみみを、ペロっとながいベロでなめました。イグアナは、うれしいとながいベロをペロペロだして、なんでもなめてしまいます。
「うひゃ!!くすぐったいよー。」ベイは、ちょっとビックリしてしまったようですね。それとも、おんなのこにキスされたようで、てれたかな?

イグちゃんのぼうけん    16
「おーい、ベイ、せなかにきみどりいろのながーいしっぽのへんなやつのせて、なにやってるんだい?」おうだんほどうのむこうから、げんきなおとこのこのこえがします。
「やあ、けんくんとゆうくん、くるまにきをつけてわたるんだよ。」ここは、まあちゃんちのすぐちかくのおおどおりで、くるまがたくさんとおるので、やさしいベイはとまってけんくんとゆうくんがわたってくるのをまっています。
「まーた、へんなやつっていわれちゃったわ。プンプン!」イグちゃんは、ちょっとおこったのでのどがプーッとふくらみました。おこったイグアナは、のどをふくらませて、くびをふります。
「おい、イグちゃん、おこるなよ、やっぱりグリーンイグアナってめずらしいからさ、へんなやつってついいっちゃうんだよ。けんくんたちは、まあちゃんちのおとなりのこだからね、なかよくしてやってくれよ。」とベイはいいます。
 けんくんとゆうくんは、くるまがこないのをよくたしかめて、おうだんほどうをわたってきました。「うわー、すごくながいしっぽだね。でもせなかにギザギザのトゲがあって、ゴジラよりもかっこいいなあ。」けんくんたちは、イグアナをみるのは、はじめてです。かっこいいといわれて、きげんのなおったイグちゃんは、「わたしは、ふーさんちのイグちゃんよ。まあちゃんちへいくところなの。」とながいベロをペロペロだしながらいいました。

グリ



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