イグちゃんのぼうけん    13
 ベイのせなかにのったイグちゃんは、いいきぶんでまあちゃんのうちへむかっています。
「ねえ、ベイ、4ひきもいぬがいるとけんかとかしない?わたしんちも4ひきで、なかよくしようとはおもうけれど、チクワはなまいきだし、グリとモモはまだちいさくてわがままだし、ついついけんかして、ふーさんとにゃあさんにおこられちゃうの・・・」とイグちゃんがいうと、「うんうん、ぼくんちもいつもけんかしてるよ。でもさー
まあちゃんってひとりっこでしょ、けんかできるきょうだいがいていいねーって、よくいっているよ。」とベイ。
「へえー、わたしはひとりっこのほうが、ふーさんからいつもかわいがってもらえそうだし、おやつもひとりじめでよさそうにおもえるけどなあ。」とイグちゃん。
「でも、まあちゃんはよくおかあさんにおこられているし、ひとりっこもらくではなさそうだよ。」といいながら、ベイはイグちゃんをせなかにのせて、でもタカタカとけっこうはやくあるきます。「ほら、イグちゃん、ここがまあちゃんのかよっているしょうがっこうだよ。ここのうんどうじょうをよこぎって、ちかみちしていこうね。」
 いつもは、こどもたちがたくさんあそんでいるうんどうじょうですが、きょうはにちようびなので、だれもいません。イグちゃんとベイはだれにもじゃまされずに、タカタカとすすみます。

イグちゃんのぼうけん    14
 そのころ、まあちゃんはおうちでピアノのれんしゅうをしていました。「ファ、ラ、ラ、ええーっと、ソ、ミ、ミ・・・うーん、わからなくなっちゃったあ。もう、おしまいにしようかなあ。」おんぷをよむのがめんどうになったまあちゃんは、ピアノのふたをしめようとしましたが、まあちゃんのおかあさんは、「なにやってるの?もっとおけいこしておかないと、またふーせんせいにまるをもらえないわよ。さあ、がんばってもういちどひいてみなさい。」といいます。
 まあちゃんは、ふーせんせいもピアノをひくのもだいすきですが、なぜかおうちでれんしゅうするのは、あんまりすきではないのです。『もうーおかあさんったら、うるさいなあ・・・また、あとでやろうとおもってるのにな。』とまあちゃんはおもいましたが、くちにだしていうと、おかあさんにおこられそうだし、このまえのおけいこのときにふーせんせいが、「おかあさんのいうことをよくきいて、いいこにしていたら、きっといいことがあるわよ。」っていっていたのをおもいだしたので、「はーい、もうすこしひいてみる。」といいおへんじをして、またおんぷをよみはじめました。まあちゃんがいいこなので、おかあさんはにこにこがおで、「じゃあ、おかあさんはちょっとおかいものしてくるわね。おみやげ、たのしみにね。」って、でかけていきました。・・・やっぱりおかあさんのいうことをきくと、いいことがありそうですね。


グリ&モモ


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