イグちゃんのぼうけん    29
「わぁ、ここもみなみのしま?それなら、とおくにいかなくても、ふーさんもにゃあさんもいるし、それにいつでも、まあちゃんたちにもあえるし・・・それからぁ、チクワとグリとモモもいるし、ふーさんちのベランダでもげんきなおひさまにあえるし、おいしいくさやおはなもふーさんがくれるし、ふーさんちには、きはないけれど、カーテンとかたなにのぼるのもおもしろいから・・・そうか、ふーさんちがわたしのみなみのしまなのね。」イグちゃんは、すっかりげんきになりました。
 あーさんもかーさんも、うれしそうに「そうだよ。イグちゃん、ぼくたちも、まあちゃんちがすきだもの。にんげんとくらすと、ぼくたちのおもいどおりにならないこともあるけど、いいこともいっぱいあるんだよ。」といいました。
 そこへ「ただいまぁ。まあちゃん、そこでふーせんせいといっしょになったのよ。・・・あらあら、まぁ、けんくんゆうくんもきてるの?にぎやかだわね。」といいながら、まあちゃんのおかあさんとふーさんがはいってきました。
 「あ、ふーさん!」とうれしそうなイグちゃん。
 「もう、イグったら・・・・しんぱいしたのよ。」とふーさんはいいながら、イグちゃんをだっこしました。
 ふーさんにあえてホッとしたイグちゃんは、『あぁ、やっぱり、わたしのみなみのしまはふーさんちなんだわ。』とこころからおもいました。

イグちゃんのぼうけん    30
 「ただいまー。」ふーさんは、イグちゃんをだっこしておうちへはいってきました。
 おるすばんしていたにゃあさんは、「お!いたか・・イグ、まったくしんぱいさせて・・・」とイグのしっぽをさわろうとしましたが、「しーっ!イグったら、だっこされてきもちよくねむっちゃったのよ。このまま、ヒーターベッドへねかせるわ。」ふーさんは、にゃあさんがしっぽにさわるまえに、イグちゃんをヒーターベッドへねかせました。

 ベランダからのぞくあおーいあおいそら、ぎらぎらかがやくおひさま、にゃあさんがくれたおきにいりのきのえだ、のぼったらたのしそうなしょっきだなやほんだなやカーテン、いいにおいのかぼちゃサラダにスライスバナナ・・・イグちゃんは、いつものようにふーさんのおうちで、チクワちゃん、グリちゃん、モモちゃんとあそんでいるゆめをみていました。もちろんそこには、ふーさんとにゃあさんもいて、イグちゃんたちをたのしそうにみています。
 ねむりながらわらっているイグちゃんをみながら、ふーさんとにゃあさんは、しあわせそうにほほえみあいました。

                               おしまい

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      あとがき