イグちゃんのぼうけん    21
 そとへ、イグちゃんをさがしにいったにゃあさんは、かいだんのとちゅうでイグちゃんがかいだんをおりたしょうこをみつけていました。「イグのやつ、てとあしがだっぴしてたから、かわがおちているな。やっぱり、そとにいったのか。あしあとをたどるように、かわをたどっていけば、イグがみつかるかな。」とにゃあさんはひとりごとをいいました。
 イグアナは、からだじゅうのかわがむけていって、おおきくなります。それをだっぴといいますが、ヘビのようにいっぺんにツルリとむけるのではなくて、て、あし、せなか、かお、おなか、とげとげ、のどというふうに、じゅんばんにだっぴしていきます。イグちゃんは、ちょうど、てとあしがだっぴちゅうだったので、3かいのところにみぎのて、かいだんをおりてしまったところにひだりのあしのかわが、すこしずつおちていたのです。
 イグちゃんのだっぴしたかわをたどって、にゃあさんはこうえんをとおって、パンやさんまできましたが、そのさきはイグちゃんがベイのせなかにのっていったので、どこにもかわがおちていません。「こまったなあ。いったいどこへいったんだろう。みぎにもひだりにもかわがおちていない。ぼくはイヌじゃないから、においをたどったりできないし・・・そうか!!ふーさんにそうだんして、イヌをかっているともだちにたのんでみよう。」にゃあさんはイグちゃんにまけないくらい、タッタカターとはしってかえります。

イグちゃんのぼうけん    22
 まあちゃんは、いったいだれがくるのかなーとげんかんのドアをあけてまっていました。そこへ、イグちゃんをせなかにのせたベイが、トットットッとかいだんをあがってきました。「やあ、まあちゃん!」とベイ、「こんにちは、まあちゃん」とイグちゃんがいいました。
 「エエーッ、ベイのせなかにイグちゃんが!!どうして?ベイとイグちゃんって、しりあいじゃなかったよね?ねえ、どうしていっしょにきたの?イグちゃんって、ふーせんせいんちからでることあるの?ねえねえ、どうしてえ?まあ、いいかあ。わあーイグちゃんが、わたしのうちにきたんだ。ああ、うれしい。さあ、はいって、はいって。」おどろいたまあちゃんは、こうふんしてひとりでペラペラしゃべります。
 「えっと、ベイはこっち、イグちゃんはあったかいとこがすきよね。じゃあこっちのまどのちかくのいすにすわって、それでっと・・・ねえーあーさん、かーさん、イグちゃんとベイがきたよ。こっちへおいでよ。」ベランダで、みずあびをしていたミシシッピーアカミミガメのあーさんとかーさんが、「え?イグちゃんって、ふーさんちのイグちゃんかい?
みじかいあしじゃ、ここはとおいのに、よくこれたなあ。ああ、ベイにつれてきてもらったのか。」といいながら、イグちゃんにまけないくらいみじかいあしでいっしょうけんめいあるいて、おへやへはいってきました。



        つづき